観音霊場念珠 坂東

先日、預かった坂東観音霊場の念珠玉は
こう仕立てあがりました。

彫りこんである観音経は、切れ切れに彫られていたので
声に出しながら、玉を置いていく。
計らずも観音経を何度も拝読させていただく結果となりました。

変則的なお念珠の多いこと・・・

朝から夕まで念珠直しに追われた。

ちょっと特殊な形状物が多くて、
70年以上前のものも、なかなかユニークだったし、
もともとは、数取りが念珠の主目的なのだから、
こうせよと規定したのは、最近のことで、
昔の形は、自由奔放そのもの。

大変な作業と言うことを除けば、実は楽しい。

ただ、気付くと1連に2時間近くかけている。

こんなはずじゃあないと思いながらも刻々と時間ばかり過ぎる。
店もこなしながらだから、まあ仕方のないこととも思うのだけれど
遅々として進まない。

待って下さっているお客様の見えざる顔がちらつくし
汗汗・・・

もう大変!

海外のお土産で手に入れた数珠を日本に持ち帰り、
日本流に直して使用したい方が増えている。
これはその最たるもの。

インドあたりで手に入れられたのだろう。

細い木綿糸でつないでいた玉には針先しか通らない
極小の穴が開いているのみ。

これはきつい。

結局、約束外の仕事だから、外注に出すわけにもいかず、
自ら穴を空けるほか手段がない。

治具があればわけないのだけれど、
玉の形状がめちゃくちゃな大きさと形状のために、
玉を手持ちでドリルをまわす。

昔は慣れない作業で何度玉の替わりに指に風穴を空けたろう。
思い出しながらも、高熱になる玉を持つ指から、
早速、指紋が消えてなくなった。

再会

やあ・・・久しぶり。

どこにお出かけだったんだい…
一年ぶりの再開。

どこをどう探しても見つからなかった。
ひょんなことから再開。

この沈香腕輪とも、
かれこれ20年のお付き合いになる。

この念珠との出逢いが
沈香を好きになるきっかっけを作ってくれた。

毎日毎日、くる日もくる日も腕にしていたせいで
艶々の表面にいささか沈香の感じは受けないが、
香りを聞くと、はっきりと自己主張をしてくる。
20年経った代物とは思えない。

沈香の香りには、鎮静効果があるから
しょちゅう腕に鼻を近づけて、スーハースーハーと
深呼吸し、気を落ち着けていました。
その節はお世話になりました。

ふくろう彫り

緑檀に彫りを施した。
フクロウの彫り。

彫りも比較的深くて気にいる。

フクロウは、福籠・・・福を呼び込むということで
幸福の鳥なのだ。

よる寝ない鳥でもあるから、受験生やよる働く人のお守りかな。

さて、どんな評価をいただけるか。

骸骨彫り変わり作り

ちょっと変わった作りでした。
房をここまで大きくすれば、もう立派に片手念珠。

だけど、腕輪なんだなあ。

ね。腕輪念珠でしょ。

ルチール

ルチールでも
珍しい。赤ルチール。

こんなにルチールのかん入がありながら、
水晶部分の濁りがほとんど見られない。

しかたない・・・

いくら探しても、同じ色の玉がない。

使い込まれたものだから、色の変化はあたりまえと言えばあたりまえ。
新品の玉はどうしても明るくなってしまう。

ん~~~。ん~~~~~。

売り物の中に、近い色の玉を発見してしまった。
探しに探しまくったけど…
めっからない。

壊そう。
そして、
めでたく完成(右側)。