リセット

最近、夜行での遠出をしなくなった。

初めて夜汽車に乗ったのは、小学校に上がる前
虚弱体質の骨皮筋衛門の僕を見かねた宮城の叔父が
一冬、田舎暮らしさせた方がよいという判断で
上野発の夜行列車♪で連れて行かれたときだった。
・・・
もっとも、常磐線の夜行普通など一昔に前になくなって
しまったようだが。

子供心に不安の一言。
その寂しさとも期待感とも言えぬ思いを越えた先に
田舎暮らしの末、コロコロ丸くなって帰省するのだ。
すっかり様変わりして帰ってきた。

大げさではなく人生リセットさせてくれたことは確かなのだ。

最近、なにか足りないなあと思うと、
実はリセットの時間がない。

仕事で出かけるときは、車で動いてしまうか、
遠ければ飛行機や新幹線と言うことで、
長くても数時間あれば到着してしまう。

うたたねする間に、目的地についてしまう。

仕事を中断して出かけるということは、
トイレでやりかけが残っているような気持悪さがあって、
ついつい時間に追われる移動手段になる。
目的地が全てなのだ。
ようするに、道程は必要ない。

ドラエモンのどこでもドアーがあれば、
それで用が足りる生活に慣れきっているのだ。

夜汽車に一人で乗り込み、駅を離れる郷愁感は堪らないものがある。

夜中にふと目が覚めて、カーテンの隙間から外を覗けば、
どこかの見知らぬ駅を素通りしていたり、
海岸沿いのコンビナートの水銀灯のオレンジ色に映し出される
不気味な映像だったり、
山中だったり、寝静まった住宅街であったりと、

異空間を飛び回っているような錯覚に陥る。

そして寝ても覚めても目的地に着かない。
そのうち、あきらめて考え方に変化が出てくる。

目的地に着くのが目的ではなく、
乗っている時間も目的の大部分であること。

それがいい。

あきらめる。
すると、揺られている時間を楽しむようになってくる。
瞬間瞬間を楽しまざるを得なくなる。

なんだか人生とダブる。

そんなリセットの時間が最近ないなあ…

浅草の空

空はからっとまではいかないけれど、
良く晴れている。
ただ、
朝から夏のような暑さ。
今日は、夏日になるとか予報で伝えている。

秋だ、秋だと思っているのに、
この気候。

もう少しかな…

そろそろ・・・

敬老の日とは、法律で、
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」
と1954年に定められたのだそうです。

長い間、社会の為につくしてきた高齢者を敬い、長寿を祝うとともに、高齢者の福祉について関心を深め、高齢者の生活の向上を図ろうという気持ちが込められているのでしょう。

という趣旨の記念日か…
ということは、この一年かけての結果報告、事業報告を
国民に知らしめるという作業があっても良いのではないのかな…
でなければ、ただ、休暇の口実としか思えないもの。

と、Booはすぐに考えてしまう。
まあ、なにごとも、意識することなしには何も始まらないからね。
けれど50年意識してきているのだから、
次の段階に入ってもいいんじゃ…
ないのかな。

最近、大変困る。そして迷う。

どの年齢から年寄りと言うのだろう…

70歳や80歳といってもバリバリの元気印
「おじいちゃん」「おばあちゃん」なんてとても言えない。

肉体的年齢を指して「敬老」なではないのかもしれない
などと考えてみたり。

まさに悩みの日だ。
さて、どうしたらよいものか…

とんぼ

浅草のトンボ。
今年は、よく迷い込んで一泊していく。

朝になると何処かへ出かけてしまう。

近所で店をやっているお客様も

「へー。うちにはトンボが迷い込むなんて
一度もないよ」
と珍しがっていた。

朝、水を撒けば、シオカラトンボ
夜は、○○ヤンマ(名前忘れました)
が、訪ねてくる。

浅草の空

問題なく日本晴れ

日差しはめっぽう強いのに乾いているせいか
暑くはない。秋の空気だ。

江戸しぐさ

チンチン電車の車内を描いて、マナーの問題を取り上げている
公共広告機構のポスターをご存知だろうか。
今のマナーの悪さを是正するため、
新たに考えられた、啓蒙活動と僕は思っていた。

年毎にポスターもシリーズ化され増えてきた。

けれどこれが、江戸時代から商家に伝わってきた
処世術とは知るよしもなかった。

先日NHKを見ていると、たまたま「江戸しぐさ」を啓蒙している
伝承者の団体があることを知った。

越川禮子氏が主催する語り部集団の言を借りると
「江戸しぐさから見た江戸っ子の条件」が4つあるのだそうだ。

1.目の前の人を仏の化身と思える(相手をかけがえの無いものとしてつきあえる)

2.時泥棒をしない(断りなく相手の時間を奪うのは、弁済不能の十両の重罪)

3.肩書きを気にしない(三脱の教え)

4.遊び心をもっている(知恵比べ、腕比べを好む)

目の前の人を仏の化身と思うということには驚いた。
その前提があるからこそ「三脱の教え」となるのだ。

単に宵越しの銭はもたねえ、火事と喧嘩は江戸の華
が江戸文化なのではないこと
見方に変化が生じてきた。

江戸時代は、自分が考えていたより
はるかに文化水準の高い都市だったことを
若干なりとも感じさせられた。

優柔不断

本日、土曜日なれど…
どうしても聞きたい講演があって
時間ギリギリまで、迷いあぐねていた。

講演場所が曳舟と浅草から、それほど遠くない距離での開催と言うことが
天の思し召しと、むしろ心に動揺を与えた。

講演の前置きは全てパスし、コアとなる講演だけを目標に的を絞り、到着時間を計算して自転車ですっ飛ばすことにした。
それ行けとばかりに飛び出し、
ママチャリのタイヤはゴーゴー音を立て、ハンドルをぶるぶる震わせて15分。
目的の、墨田生涯教育センターには数分遅れで到着。

汗だくになりながら、入室すると、目当ての講演はさあこれからというところ。
何とか間に合った。

帰り、6時を少しまわっただけなのに、
秋の夕暮れは、文字通りつるべ落としの如し。
あっという間に日は隠れた。

白髭橋を渡るとき、東京の夕暮れにも哀愁を感じさせる光景。

写真からは伝わらないが、
実は、プルプル震えていた。怖くて。

吾妻橋、駒形橋、厩橋…の夕暮れは何のことはないのに、
ここでカメラを構え、画像をサーバーに送る間、
どうしたものか、ゾクゾク背筋が寒くなって
橋を渡るのも躊躇した。

蚤の心臓だね。まるで。

そういえば、その昔ここはすでに江戸市中ではなかったのだ。
などと、どうしようもないことを考えながら
不気味に波立つ川面から左に見ながら無事通過。

一番星見ーつけたっと。

浅草の空

今度は血風11号。
少し生暖かいし、雲はモクモク凄い形相をしているし。

雲の層は恐いくらい。
雲の流れは早い。

菱の実菩提

これは珍品。
菱の実菩提樹。

忍者の撒き菱に使ったとか
本当かなあ…
まさしくいばらの冠のよう…