スカイツリー

実に幻想的に映る。

ここは浅草ビューホテル。
ここからの眺望はその名にふさわしく、正にビュースポットだ。

どこかの画家の油彩画で見た、バベルの塔に似ている・・・

バベルの塔とは旧約聖書に出てくる天に届かんととする巨大な塔のことで、
神を越えようとする人間の虚栄心、驕りの象徴であり、そんな人間に失望した神様は塔の完成を許さなかった。実際に歴史的事実として遺構を探索した歴史学者もいたそうだが、歴史的事実かどうかより、人間の心のあり方として学ぶ部分はありそうに思った。

一部の学者は電磁波問題に対する懸念をあげているものもいるとか、また何故、今、地デジにしないといけないのか(もちろん周波数のバンドの有効利用という考えがあるとは聞いているが)、また東京タワーでもいいじゃないかというようなこと等など、少数意見も過誤できないことのような気もするのだけれど。

そんな意見を飲み込むかのように下町の風景の中から、突如として突き出した格好は何とも不思議な風情を醸し出している。
ここからは見えないけれど、タワーの足元では、町並みや商店が次々に衣替えを始めている。期待と不安が渦巻いて見える。

純純下町の横丁が再開発という荒波を利用して発展しようというのだろう。

いろいろな思いを飲み込んでいると思うから、僕にはついそんな見方になってしまうのかもしれない。

単純にきれいだなあ。で済ませたらいいのにな。

早朝の景色

そろそろ追い抜くね。
正面の墨田区役所ビル右側の重なって見える建設中の建物がスカイツリー。
お互いの距離は1km離れているのに同じ高さに見える。

ということは・・・

蝋琥珀

久しぶりに蝋琥珀のきれいな珠が入荷しました。
程度のよい天然材料がなかなか入手し辛くなってまいりました。
これがなくなったら今度はいつ手に入れることができるかなあ。

お客様と共に歳を取る

もう20年来ふらあと来店されては一言二言話をされて帰る。
帰り際に「今度買うね」と必ず一言。
でもほとんど掛け声だけで終わる。

河岸の仕事をしていたからここに来るには遠回りもいいとこなのに
季節の変わり目のようにふらあと訪れる。

まだまだ歳若いのに刺青を入れてみたり、ヤクザの真似事をして見たり、
来られるたびに風貌が異なる。
でも一貫していたのは、神仏のものに関心があるということだけ。

ボンタンのような引きずるようなジーンズにジャラジャラといろいろなものをくっつけて、邪魔じゃないの?と言ったこともある。
へへ。と苦笑いして童顔を見せた。

しばらく顔を見なかった。

突然、閉店間際に顔を見せてくれた。

こざっぱりした洋服に、髪の毛も整えて髭もない。
話し言葉も理路整然としている。
子供が産まれたという。

「え!結婚したの?」
ぐちゃぐちゃの顔になって照れる。

「子供を食べさせないといけないから
母ちゃんも働いている。俺が見てあげないといけないしさ」
へえ。お父さんをやっているんだ。

「偉いじゃん」僕が言うと
また照れる。
はにかむ顔は、昔の顔だね。

責任を持つと人間、変わるんだな。

「今度子供連れてくるからさ」
「母ちゃんも連れといで」

別れた。

こんなやり取りが好きで、
店は続いてきたのかもしれない。