言葉を呑む

地元の歴史を調べるために、東京ガスの営業所内にある「浅草文庫」というミニ図書館に出かけた。
何度か紹介したことのある場所ではあるのだ。
私設ながら、浅草の文献に関しては、図書館の郷土資料室より豊富にあるので時間の合間を見計らって飛び出した。

土曜日と言うこともあってか館内は今まで見たことがないほどに人で埋まっていた。

目的の浅草文庫は二階の奥まった所にひっそりとしていた。
訪れる人もないようで館内はがらんとしていた。

入ってすぐに目に付いた「武蔵野風土記」。
手にとってカバーから抜いて中を確認しようとすると、後ろから声がした。
係員と思しき人。

「椅子に座ってみたらどうですか」
親切に教えてくれたのだろうと解釈して
「中を確かめるだけですから」と答えた。

「貴重な本なんだから」
「座りなさいよ」

「確認したら座って読みますから」と
なんだこの人は・・・

そして続けざまに、

「もう買えないんだよ」
「大事な本なんだよ」
「億劫がるんじゃないよ」

おいおい・・・。
そんなに大事な本なら展示するなよ。
のど元まで出かかったが飲み込んだ。

今日は目的があるからね。遊んでる暇はないの・・・

数冊鷲づかみに席に着いた。

浅草文庫

テプコ浅草館内にある浅草文庫。
結構豊富に郷土資料を蔵書している。

図書館に併合しないものだろうか。

晩秋の空

すっかり天気予報に騙されたけど
気持ちいい空に免じて許すとしようか。

スペーシアも青空に溶け込んでいる。

どでかい雲子ビルも空が広いと黄色いおたまじゃくしくらいにしか見えない。

浅草に走らないかな

新東京タワー(スカイツリー)の槌音は徐々に増している。
今は、まだ近隣の風景は微動だにしないが、数年たてば、あれよあれよと変貌を遂げて素朴な下町の光景は、経済効率優先の名の下に商業施設が乱立し様変わりすることだろう。

それはさておいて、川向うのタワーと浅草の間は実に微妙な距離。
東武電車を利用すれば一駅の距離。歩いても20分あればさっさと来れる。
ただ、その間のプロムナード化はされてないから、面白くもおかしくもない歩道を歩くだけなのだ。
今はなき墨田公園駅跡、枕橋、キリンビール本社、ちょっと寄り道をすれば、長命寺のさくらもちや言問団子、隅田川沿いに歩いて赤い橋を渡れば浅草に到着する。
この距離を面としてとらえると、実に多彩な風景が楽しめる格好なのだが。
どう考えているのだろう。

もう一つ、まさかこのスローライフを提唱する時代に時代錯誤していないと思うけれど、この間(タワー⇔浅草間)をバスでつなぐようなこと。
まさかまさか、しないだろうな・・・

僕はもともと公共交通なのに1人の運転手に命を預けるというのがどうも解せないのだ。定時運行と中央管理のし易さに秀でるLRTを導入せぬものかと思う。
架線が景観を損ねるというものもいる(あれがいいのに・・・)。
そういう課題に対して、JR鉄道総研が答えを出した。
架線を必要としない路面電車。

新型LRVは架線からの電力と搭載したバッテリーの両方で走行が可能。ブレーキをかけた際に生じるエネルギーを大容量のリチウムイオン電池に充電することで、従来の路面電車と比べ消費電力が5~10%減ることが見込まれるという。

 利用者の乗降中に架線や停留所に設置した給電装置から急速充電することもでき、満タン時で30キロ走行する。1両編成で全長約13メートル、定員44人。

当初は、一方通行でよい。採算性を考えて単線でループ状に一回りすればよいだろう。
東武と墨田区、台東区の3セクと言いたいがいかがなものだろう。

浅草のイメージカラー、赤と黒に塗り別けたトラムが(もちろん墨田区カラーのも)トコトコ観光案内しながら走る光景だけでも絵になるではないか。

当初は、観光目当ての路線で出発したとしても案外思わぬ効果が生まれるかもしれない。