浅草寺の井戸

いつのまにか宝蔵門近くにできた井戸

このとおり水は出ます。

けれど、飲めない井戸水なのだそうだ。

浅草のどこにでもあった光景が、いつのまにか物珍しく目に映るようになってしまうのだから・・・

面白いものだと思う。

親子地蔵もあたたかそう


「あったかいね」
「よかったわね」
心なしか会話が聞こえてくる。

何十万という母子が冷たい中国の荒野で彷徨したのだもの・・・

宝物ってなんだろう

今日、「神戸から電話です」と呼ばれて驚き慌てて受話に出ました。

たまたま(ということは仏教的にはないのだが)同じブログのシステムの店子で神戸に冠三宝というお店を持たれるKさまからだったのです。

ブログの縁で、念珠ブレスをお買い求めくださって、今日到着しましたということのご報告と、そのお礼の言葉を頂戴しました。

「嬉しくてお電話しちゃいました」と嬉しそうなお声を聞いて、「喜んでいただいてこの上なく嬉しいです」と言葉にでたけれど、どう表現してよいやらどぎまぎでした。

自分の表現力のなさに呆れてしまいます。
でも何より嬉しいものです。

力が湧いてきます。

朝一番で店に訪ねて下さった東京のKさん。
メールで何度かやり取りさせていただいて、石の種類を決めたうえでご来店されたのです。
30分程度お時間を頂戴して、4本製作させていただきました。
お客様を目の前に製作するのは、昔はドキドキもので、玉でも落としようものならあたふたし頭は真っ白となったものです。
今はなんとふてぶてしくなったものでしょうか。

持ち込みの玉もありましたので何気なく、
「どこのお店で買われたんですか?」と尋ねると、
「だいぶ前ですがここですよ」との答え。

これもまた冥利に尽きる話しです。

数日かけて、古いお客様台帳を整理しました。
日付を見るともう二十年も前の台帳でした。

場所をとるのと紙だとどうしても融通が利かないために、電子化しようと決めたのです。
店番の合間を縫いながら一枚一枚読み返しつつスキャニングしました。

お客様との出会いの様子。
ご家族のこと。
どんな表情をしている方なのか。
どうすると喜んで下さるのか。お悩み事は・・・etc.
お買い上げの商品のこと以上に、お客様の人となりを想像できるカルテのようなものです。

店に立たせたバイトの子たちにも昔は書いてもらいました。

それは、一枚の紙きれなのです。けれど、僕には「人」そのものなのです。
だから、お客様一人一人が、20年経った今でも、カルテに目を通すと実像と化してきます。

面白いもので、読むとお客様のことばかりが想像されるのではなく、対面させてもらった店側の人間性も実像化してくるのです。

表面的なことばかりに終始する記入例。枝葉がやたらと多く、かえってお客様の実像が見えてこない記入例。情の機微に触れる記入例・・・

対面した店員のお客様への愛情度が見事に現れます。

でも熱心に書いてある台帳には、自分で記入したものも含めて頭が下がります。
そこには、対面したお客様をあらゆる角度で知ろうとする努力の跡が読み取れるからです。読みながら涙が出ることすらあります。

僕にはこの書き込みが初心を思い出さしてくれる原点回帰の妙薬であり、カンフル剤であり、宝物なのです。

地蔵菩薩


一工夫してあって、蓮台は納骨式となっている。

仏壇をかざらない方が目に見えて増えているが、供養のためにも置いて欲しいな。
こんなスタイルもあるのだから。

保身

彼は間違いなく誰も文句の付けようのない正真正銘のヒーローだった。

社会の悪を見過ごせなかった。
強者が弱者を甚振る姿に耐えられなかった。絶対に許すことはできなかった。

いかなるときも弱者の側にいた。
勝ち目のない喧嘩とわかっても矛盾を感じれば、命がけで闘った。文字通り命をぽんと投げ出す覚悟をいついかなる場面でも、失うことはなかった。
ポーズではなくまさに命がけで。

そんな彼を民衆は徐々に理解し、彼のあとについた。いつしか彼をヒーローと祭り上げた。

彼は名声をほしいままにした。

いつしか強者の中にも彼の側に立つものも生まれた。
彼の側に立てば富と名声のおこぼれをいただけると打算する者たちも彼の回りに増えていった。
彼の助言は国の進路を決定する者たちまでもが参考にするほど強大なものにそして危険を孕むものにもなっていた。

彼が語る一言一句は、書き取られ心の指針とされていった。

きらびやかな名声と富の中で彼は美しい妻を迎え入れた。
子供にも恵まれた。
そこに保身が生まれた。

どうすればこの地位と名誉を継続することができるだろうか。
そう考えるようになったとき、彼の一言一句からは光が失われていった。失敗を恐れるようになった。
英断を下し犠牲を最小限に抑えることより、決定を、闘いを先延ばしすることを覚えた。

為政者をも恐れさせた名刀も、保身という錆びが刀身を覆いつくしていた。

冒険を恐れるヒーローに民衆は敏感に反応した。
一人また一人彼は自分たちの友ではないと気付き始めていった。
一度堰が切れると地に落ちる名声は止めようがなかった。

彼は何がそうさせたのか気付くよしもなかった。

と言う所で目が覚めたのだ。

枕元にあった封筒に「保身」とだけ書いて、夢の続きを見ようと目を瞑った。が、外の雨音に目が冴えて残念ながら第二部は見損なってしまった。

昨夜みた「20世紀少年」の影響が少なからずあるかもしれない・・・
単純なやつ。