いつも考察

お直しでお預りする念珠を見ているとそのたびに勉強になる。

糸は何故切れるのか。どこで切れるのか。どういう使い方をしていたのか。どういう材質なら良いのか・・・etc.etc

お寺ものは、在家ならまず擦ることはない水晶ものでもきちんと数珠らしい跡がつくほど擦ってくれるおかげで玉の当たり所がよくわかる。これは結構糸との関係がよく見えて重宝する。

へ~って思うところが減る。宗派ごとに比べられたらまたおもしろいだろう。天台の平玉の水晶でも過去に直した玉の状態も写真に撮っておけばよかった。

直して勉強です。

念珠の制作、修理が可能ということは、いろんなことにも応用が可能ということで・・・ネックレスは日常茶飯事として、根付紐(江戸時代の秀作をだいぶ見させていただきました)、羽織紐(着物を持っていないのに)、タンス飾り(古い房の形状が残ります)、特殊結び(これはもう勉強です)、etc、etcいろいろやってきましたね。で、今回は小型印籠の飾り紐。まるで念珠つくりです。房までついてますからね。

実に実に勉強になります。

象牙蒔絵入り印籠
完成。

作り替え三点

ネパールものかと思うけど、臨済宗の形に仕立て直し。

素朴でいいのだけれど、穴ぐりも素朴である意味大変。

完成。

木玉もとても素朴。

完成。水晶仕立てと瑪瑙仕立てにしました。

水晶切子のネックレス。どこでも見る一般的なものです。女性の好みのわからないTONでありますゆえ、首周りの装飾として付ける人も少なくなっているのかな。真珠のネックレスと同様で、タンスの肥やしになることが多くなってしまったということも否めませんね。

で、お客様の持ち込みのご依頼としては、念珠に衣替えしたほうが良いのではということでありました。

ネックレスにする玉と念珠の玉の根本的に違うところは玉穴の大きさ。片や( ̄▽ ̄)イコールおっとっと、こっちです ≒ 1mm

かたや≒1.8mmです。この0.8mmの違いが大きいの。

そして穴周りの面取りです。そっと首にかけている装飾品と違って念珠は法具ですからね、じっとしてはいないわけで、動的なシーンが多いわけです。太い糸をなるべく通して持ちが良いようにしたいというのが正直なところです。

でも小さい穴ながら懸命に通しましたよ。茶水晶の道具と合わせて出来上がりです。

改装のこと

たぶん中国産のお念珠と思われる。玉の中をテグスで通してひょうたんの親玉を使い、人権糸の切り房で締めくくる。ネックレス用の玉を使用しているので、どうしても玉穴に関しては想像通り。

これからも長く使用していただくための工夫だけは考えなければならない。瓢箪の親ぼさも見ようによっては風合いがあっていい。けれどここはお客様のご要望により、二天玉と同じ紅水晶に交換して正絹房を付けることにした。

なんとかウーリー糸の細い糸が通すことができたので、なんちゃって造りにならなくてよかった。

中国の玉との相性よくバランスも取れたと思う。

 

 

玉穴の状態
1mm穴の玉は案外と穴繰りは綺麗だったので助かった。