風のお土産

ひさしぶりにS女史が訪ねてくださった。
正直な方で、何かで驚かそうとしているときは、
目が踊っている。

今日は…というと、案の定、
出てましたよ。

ありありと。

大きな包みを開いて、

「はい」
と、渡された。

何やら、ほおづきを小さくしたような…
「何だろう」わからない。

鼻をぴくぴく、答えを漏らしそうになっている。
ん~~~。
菩提樹の実?

気の実ということはわかるのだけれど
何やら、

わからない。

半透明のものもあるかと思えば、
どう見ても金剛菩提樹にしか見えないものもある。

「降参です(内心)」

「深大寺のムクロジです」

ああ~~。
まぎれもない。

黒い玉を見て、ようやく合点がいった

風が来るのを待って、
これだけの実が落ちてくるのを拾ってきて下さったのだ。
泣けてくる思いだ。

もしかしたら…
この人は…

トトロの回し者なのかもしれない…

トトロの子分は、うさぎも伴っていた。

なあんちゃって。

職人してました


店が閑散としているときは、すかさず手を動かす。
昨日とは打って変わって、お客様が少ない。

今できることは、今やらないと。

あ、そうだ。S女史の…