ここに来るたびに、惜しいなあといつも思う。
歴史建造物とは言えないけれど、それなりに趣きはある。
東武鉄道が浅草に延伸し、新生浅草駅として開業したのが
昭和6年。
隅田川の淵に当時これだけの建造物を立てたのだから
難工事だったろう。
基礎杭には、コンクリート杭ならぬ、松杭が何十本も用いられた。
まさしく時代を感じさせる。
戦前の建物を知る古老の話を聞くと、
浅草の表玄関らしく威風堂々たる建物だったようだ。
屋上には、遊園地がありそれが楽しかったと教えてくれた。
残念ながら、東京大空襲の被害は、外観を残して
全て焼き尽くされた。
戦後の姿は、東京駅のそれと同様に
急場のこしらえと言ったら申し訳ないか。
今は外壁を厚化粧されてしまい、
時代のよさを隠してしまっているのが惜しい。
館内を歩くと遺産があちこちに残っている。
いっそ、創業当時の姿に戻したらどうなのだろう。