どういう訳だろう…、
まあ原因は僕が作ったことに間違いないのだが…。
僕の耳の話なのだ。
この一週間、右の耳が痛い痛いと思っているうちに、
鈍痛でおさまらなくなってしまった。
本格的に治療を要する痛みになってきたものだから、
消毒液と化膿止めの軟膏を合わせ鏡で覗き込みながら、
恐る恐る治療することとなってしまった。
もともと化膿しやすい体質であるし、
幼少時より目、耳、口、鼻の病気には事欠かない歴史があるので、
因果は良く分かるのだ。
どこをどうすればよいかは、下手な新米医者より感覚的に分かる。
が、この痛みはどうしても合点がいかない。
外耳なのでさほど心配せずにいたのだが、
それでも痛みが長引くと、気候も丁度良くない時期だし、
自己治療も潮時、そろそろ医者に行くかと思っている矢先、
痛みが急にひいてしまった。
そこで患部を覗き込みながら、考えてみる余裕が生まれた。
患部は脂肪の吐き出し口
(つまり指で押すとチューと脂肪が出てくる所だ)
が、ある場所だった。
どうやらそれが耳掃除していたときに、
傷つけて菌が繁殖したのだろうと言う結論に達した。
小学校頃までは溜まった脂肪を定期的に押し出して、
母親にとってもらっていたのだ。
中学にあがると、母親に甘えるにもストレートにできなくなり、
溜まってるなあと思いながらもおざなりにしていた。
そのうちいつしか頭から離れていたのだ。
どう考えてもそこしかない。
すると、小6で12歳だから…
おーーー40年。
40年目にして自己主張をしたのだった。
そんなに黙っていなくてもよかったろうに…
脂肪口と言っても妙に愛おしさが湧くものだ。
それそのものは、生物学的な器官の一つに過ぎないのに
やたら同情心を感じる。
そこが、「母親との接点」ということもあるのだろうか。
親の言葉だったと思うが
「相手の醜い部分こそ、そこがいとおしく感じる。
なぜなら、その場所は、心配し続けた親の愛情が
ことのほか詰まっている場所だからね」
と、思い出された。
改めて体中には、いくつかそんなスポットがあることに気付かされた。
親不孝しているからなあ…
こうして痛みを伴ってまで、想起させるのだ。
じゃあ父親との接点ってどこにあるんだろう…