お盆

毎年8月は不思議な感覚にとらわれる。
お盆をはさんで、普段にないお客さまの来訪もある。

店が混むのは7月のお盆なので、仕事の感覚を離れて
少し客観的に見ることができる。
ただ、この月は普段とは感覚が、まったく違ってみえる。

口で表現するにはかなり難しいのだが、
しいて言うならば、
彼岸が近づくとでもいうのだろうか。
ご先祖が川のむこうから訪ねてこられる、
とでもいうことだろうか。

断続的に混みあう店内をよそに
毎年のように考えさせられるお客様の来訪が多い。

今日は、
代々霊を感ずるという母子の願いで、念珠を製作させていただいた。
僕には、そうした姿が見えるわけではない。

ここに入ると気が落ち着くと、
入ってこられたときの険しい顔が
みるみる表情を和らげられる。
小一時間話をされていかれた。

毎日、接客させてもらう方にこうした方が
必ずいらっしゃる。

川向こうを感じざるを得なくなる。

普段おろそかにしている

父の眠る仙台の墓に向かって祈りなさいと言うことか。

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