玉突き

私事で経堂に出かけ、駅前に立っていると
[もしもし、TONさんですか?]
ん?

こんな所に知り合いはいないし・・・
大きなマスクをしているから目しか見えない。
でもどちらかでお見受けしたお顔のような・・・
あ!お客様のSさん・・・

「これから浅草に行こうと思っていたんですよ」

だって。
こういうこともあるのだ。

昼過ぎに戻り店に立っていると、
またもや見覚えのあるお顔。

「TONさんですよね?」
あ!S寺の・・・
お世話になったお寺様である。
しかも10年ぶりの再会。
こちらから訪ねることはあっても、来られるのは初めて。
たまたま浅草に足を伸ばしたら、
うちを見つけられたということで来店された。

もしSさんにお逢いしなければ
まだ経堂をうろうろしていただろう。

玉突きのように一つ一つの出来事が必然を生み出す。