鈍行列車

友人の出張話を聞きつけ交通手段を調べているうちに・・・
ちょっとのつもりが、どっぷり深みにはまってしまった。

昔、名古屋や京都に出かけるには、
新幹線などという文明の利器を使用することはごくごく希なことで、
十中八九間違いなく、大垣行きの鈍行列車を利用していた。

何せ青春の貧乏旅行であったし、朝早くに目的地に着けば、
目イッパイ行動できる。
行動終えたらまた夜行で帰ればよいくらいに行き先も決めず動き回っていた。

おまけに夜汽車は旅情もいやというほど味わえた。

この電車ののよいところは、静岡を過ぎると快速になって実に快適だったこと。
平塚や小田原までは通勤客で混んでいるが、静岡に入るととたんに
長距離電車の姿に様変わりとなる。

小田原駅で通勤客を吐き出した車内は寒々するほど広々となるし、
車輌も軽くなったとみえて軽快な足音に変わる。

そのレールの音に誘われて、瞼が重くなる。
一車輌に数えるほどの車内となれば、どう転がろうが勝手なものだ。
ボックス席の向こう側に足を投げ出し腕を組んで寝る。
そのうち、上半身はシートいっぱいを使って寝っ転がる。
よくまあ、くの字になって寝れたものだ。

22、3才からもうすっかりのご無沙汰。
JRになって、もう全滅したと思っていた。

WEB時刻表を見ると・・・おや?・・・それらしき雰囲気の列車。

ちょっとクリックしてみる。

「東京ー大垣」これだ! なんと、
全席指定、快速ムーンライトながらとして生き残っていた。
http://hit.vis.ne.jp/nagara/cardia.html

そのうち試してみよう。

でも、全席指定となったら
もう荷物を山と抱えた行商のおばちゃんたちとの会話も、
地元の学生たちの方言も聞くことはできないだろうな・・・