昼近くに用事で自宅に戻ると同じマンションの子供たちが、
プールの支度をしてはしゃいでいた。
「あれ?学校はどうしたの」と聞くと、
「きょうで学校終わりだもん」と答える。
あ!そうか。
公立の中学に通う息子が、今日は終業式で明日からいよいよ夏休みと言っていたっけ。
思い出した。
「じゃあ通信簿もらったね。よかったかい」
「うん」とうなずきながら舌を出して照れ笑いをしていた。
うちの愚息はどうだろう・・・
と思いながらも、同時に子供時代の我が身の所業を振り返ってしまう。
夏休みが近づくと、ジージーやらミーンミーンやらの蝉の声が、
「プールだよー」「海だよー」「遊ぼうよう」と聞こえてきてしまう。
本当に聞こえちゃうのだ。
家の中でじっと机にかじりつくなんて到底考えられなかった。
出された宿題の山は、初めの意気込みも何処へやら、
夏休みも1週間もすれば、記憶からはすっかり消えていた。
始業式数日前から突貫工事となるのは必至だった。
けれどよく考えてみると、毎日宿題をするわけでもないし、
いったい何をしていたんだろう???
思い出せない。
よく40日以上の休みを毎年毎年、無事消化したものだ。
あきれるほどに思う。
目まぐるしく対象を変えつつ、好奇心いっぱいに遊んでいたのだろうと想像するのだが・・・