親しくさせていただいている方から、
暑中見舞いのおはがきをいただいた。
筆書きで、伝教大師を中央に描き、
「山川草木 悉皆成仏」と大きく現していた。
庭師として天台宗の寺院にご縁が多い方だから描いてくださったのかなと思う反面、
日頃、草花、木々を、土を岩と語りながら、自然と
そこに潜む仏性に触れているうちに染入るように理解したのかな。と思えてならなかった。
机上であーだ、こーだと説法をするものより、
空念仏を伝えるものより、よほど胸を打つ言葉だった。
ずっと以前はじめて「山家学生式」に触れたとき知らずうちに胸を詰まらせたあの気持ちが思い出された。
国の宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝と為す。故に古人言わく、径寸十枚、是れ国宝にあらず、一隅を照す、此れ則ち国宝なりと。古哲また云わく、能く言いて行うこと能わざるは国の師なり、能く行いて言うこと能わざるは国の用なり、能く行い能く言うは国の宝なり。三品の内、唯言うこと能わず、行うこと能わざるを国の賊と為す。乃ち道心あるの仏子、西には菩薩と称し、東には君子と号す。悪事を己に向え、好事を他に与え、己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなり。
道心は常に持ち合わせているだろうか。。。