木玉の限界

よく写らなかったのだけど、星月菩提樹の本連の使用後の状況。
インドの黒目のはっきりした菩提樹を使用した本連念珠で、玉はしっかり乾いたものを使用したのだが、首にかけられて数年経つと(たぶんほとんど外されなかったのだろうと思う)首に当たる部分は黒に近い飴色に、そうでないところも汗に侵蝕されるのだろうか玉の油脂分が抜けてカサカサになっていた。気を付けないと玉のひび割れにつながる可能性が高い。

元は植物の種子である以上、水分は着いたら乾拭きが基本。
以前、「滝行にも使ったよ」と、ある修行者の方から見せていただいた星月菩提樹は、歴戦の勇士のような様相を呈して黒光りする琥珀の玉のように蜜で拭いたようで半透明の肌を持ちすこぶる固く締まっていた。乾湿を繰り返しよく手入れされていくことで蝋化するのだろうかと想像させられたものだ。

TONがこの仕事を始めた頃は、今の3倍はしていた星月菩提樹。

いまでこそ安価になってしまったし、菩提樹の代表選手の星月に対する認知度はあまり高くないのだけれど、念珠として玉のさばき、使いやすさを考えればこれほど使いやすい素材もないのになと現在の評価には多少不服を禁じえないTONのである。。。