見返り阿弥陀


宗門の新聞を毎月頂いていると年末になると毎年本山からカレンダーが送られてくる。

年末のバタバタで失念してお布施を忘れていたら、物の見事に今年は届かなかった。ドライといえばドライなものだ・・・と心の片隅でブーたれていたが、ちょうど良い大きさで案外重宝していただけに予定を書き入れていたカレンダーの架かっていたその場所をついぞ見てしまう。

日々書き入れたし、案外こんな店にあうカレンダーが見つからないで難儀していた。

いつまでも難儀していると、なんで一回ばかり失念していただけで、バッサリ切るかと度々ブーがもたげてくるから、もういい。とばかりに自分で作ることにした。

余っていた卓上用のカレンダーを切り裂いて、とんと壁につけたがとんとおかしい。

何だか間抜けな絵ヅラにちょっと思案。

そうね。自分の好きな絵を入れましょう♫

と好きな絵は観音様、阿弥陀様、弥勒様となるわけで、ここ念珠堂の店のあるこの場所が、以前は阿弥陀堂があった場所ということで阿弥陀様にしよう。と相成りました。

一番好きなのがこの阿弥陀様なのであります。

後期平安期から鎌倉期のほのぼのさと写実主義的な両面を併せ持つお顔が「は~~~~」と手を合わせずにはいられなくなる。この表現の力。仏師の信仰の力と技の冴えを感じざるを得なくなるわけで、どうしてくれるんだと思うTONなのであります。

毎日お顔を拝むことが出来るじゃん。。。。

良い機会なので、以下はちょっと調べてみた次第です。

「見返り阿弥陀」と言われる阿弥陀様は、全国に5体存在するのだそうです。
ただ、一体は模刻した現代の作なので古来から伝わる見返り阿弥陀様は4体となるわけです。

TONがぞっこんの阿弥陀様は、京都東山の南禅寺近くにある永観堂のご本尊。
鎌倉初期の作といいます。

また一体は、山形の堂森善光寺。こちらも鎌倉以前から続く古刹のようですが、古い資料は火災にて消失して、寺歴は不明のようです。加賀前田家の前田慶次の供養塔で有名です。
鎌倉期の作のようで緻密な彫りに頷けます。

もう一体は、富山県南砺市にある安居寺

最後の一体は
群馬県高崎市にある萬日堂。
室町時代の作と言われているけど、遜色ないなぁ。。。とTON。

最後の阿弥陀様は、青森市に昭和の御代に開山された青龍寺。
江里宗平仏師の手によるそうです。

当時の仏師を思うと、儀軌に沿いながらも阿弥陀様ならこうだろうと考える自由な表現方法に心躍らされる思いになります。信仰の心から発する美的表現には脱帽するしかなくなるTONでありました。

飾り結び

ふだん手を動かしていないものは、頭をいくら働かせてもうまくいくものではないですね。

まして飾り結びなんてあまり念珠制作には関わらない、願わくは関わりたくないものだからつい避けてしまうのだけど、お客様のご要望と言われればやらないわけにいかないものね・・・

で、重い腰を上げました。

一回やればては覚えているもので、スイスイとまではいかないけれどなんとか形になるものです

几帳結びと玉房結びです。だ。。。