百面カットの水晶玉

水晶100面(124面が本当だけど)カットの玉は切子なのにキリコらしくない丸みを残したやわらかさを持つ。そこが腕にしていても痛くないし好きという方は多い。

ただ見慣れてくるとどこか変化が欲しくなるもので念珠のセオリーを少し逸脱してデザインに重きを置いて作ってみたくなるのだ。何点か作りはしたが画像に残したのはこの一点だけ。

カットの少ないこちらも長年のお付き合いだ。

100面カットに押されていたけど、最近注目されるようになった。

キラメキがいいんだ。

入射角と反射角の問題なのだが、カットが大きいだけにキラ!と煌く光の量が素敵なのだろう。この夏はこちらに嗜好が向くのかな。。。

水晶だけもいいなぁ

みかん玉部分がローズクォーツだったりカルセドニーだったりが定番で、たまに水晶だけでというオーダーに応えて制作してきたけど、案外よかった。

こんどはオニキスやトラメや青トラメ、赤メノーなんてんも創ってみたくなった。

こうして種類は増える一方となるのだ。

ジルコンもいいよね。

ジルコンの素材に始めて出会ったのが三十年前。当時は誕生石を貴石ではなく宝石で腕輪念珠を作りたいと思っていたのだが、ネックはダイヤモンドだった。

取引していた台湾の宝石加工所に伺った時に魅せられたのがジルコンだった。

もちろん日本ではまだ念珠としては流通していなかったからキラメキに一発でときめいたのは言うまでもない。

そのときはローズアメっぽい色合いは数が少なく、無色透明のものが多く文字通りダイヤに見間違う。カットがされているものも良いのだが、丸玉がまたいい。

屈折率の関係で光を中に閉じ込めるという表現が似つかわしいのではなかろうか。

この念珠は最近の玉だが、お嫁に行くのが決まりサイズ直しのため改めてまじまじ観察してみた。

あ~やっぱりいい!

絶対いい。

通し糸を替えるだけで表情がこれだけ違ってくる。

本連の振分けを作らせてもらったが、間違えて白糸を通してしまったのでいい機会なのでちょっとその差を検証してみたくなった。

もともと朱赤の房をつけることで能動的な強さが表現されているが、水晶の下がり部分と主玉部分はどうしても別物を感じさせてしまう。

しかし、主玉部分の通し糸に観音さまを表す宗赤の共色を通すことで、全t字が一体化を出し、全体に力強さを醸し出してくれた。

このシリーズは、水晶の主玉を使用して、色を替えずいぶん作らせていただいたが、朱色は初めて。お寺の装束としては頻繁に使う色あいなのだが、あくまで尺八や尺六。

尺や尺二といった短い本連には使用したことがなかった。でもこうして仕立ててみると、ベストマッチすることを改めて感じさせられた次第だ。

念珠は奥が深いぞ。。。。

骸骨彫りだけど、、、象牙?

まるで象牙。

けれどこれは、鹿の角でした。

最近の丸っこい、見ただけで吹き出してしまいそうな骸骨ばかりを見ているせいか、リアルな彫り様に、京都にいた骸骨彫り専門の職員を思い出した。

だいぶ研究したと見えて細部にリアル感が醸し出されている。

京都の職人が廃業してしまってからは、骸骨彫りは入荷してこなかったのだけれどこれくらい彫れるようだったらと今回は入荷させていただいた。試しの一本。

ただし、馬の骨で作った念珠を一緒に付けることは叶わないだろう。。。。。

馬 + 鹿 だもんね。注意しなければいけない。

ただし馬の骨の念珠があればの話だが。。。

ヤクの骨のはあるけれどヤクは牛の親戚なり。

細いよ~~~~(;ω;)

一見すると立派な本連。

房の付け方を見ると多分近隣国のお土産品と分かる。

玉はそれなりに磨かれている。

が、穴が細い。なんで?と思うほど。1mm。

通常は小さくても1.2mmから1.5mmある。

1mm穴とはネックレスに使う玉ということならば納得できるが・・・。

108玉を通してみれば、使う前から正絹紐はザラザラに痛む。

形は立派な念珠になるがやはり念珠用の玉として作られた材料は見えないところに、手間とお金をかけている。

むくろじ

この季節になると時々作らせていただく。

素材は、その木のありかさえ知ればいくらでも手に入る。

ただ、念珠の珠として使えるようにするまでがえらい苦労させられるのだ。珠についている白い綿帽子のような保護膜がなかなか剥きとりづらいのだ。気の短い人なら、そこですでに投げやっちゃう。これから穴を開けて玉の粒度調整をして職人の手で仕立てるという所に至る。 念珠とはよく言ったものだ。これこそ念珠の名前にふさわしい。

僕はバケツいっぱいに取れるのをあえて取りに行かない理由だ。

経典にも出ている有難い念珠材料であることには間違いないんだけど。。。。

ちょっとおしゃれに。

まだ途中経過なのだが、ちょっとおしゃれに装っている。

もちろんお客様のご要望にお応えしての試行錯誤中のものなのだが、中糸としてウーリー糸と銀糸をダブル通ししてみた。

写真ではちょっと控えめなのだが白水晶なのでキラリと光るのが見える。

銀糸自体は強い糸ではないので同時に入れるのはちょっとコツが必要。汗をかきながらようやく終了。

房を合わせるとなかなかいいなぁ。。。

糸魚川翡翠の腕輪

翡翠好きのTONとしてはそばに置いておきたい翡翠のひとつ。全面的な採掘が禁止されているので流通するにしても細々ということになるから、いいなと思ったらその時に入荷しないともうあとがないとなってしまう。

だから売れる売れないは別なのだ。でもねうちの財務相はなかなか認めてくれないから細々とならざるを得ないのだ。

でも、糸魚川らしい糸魚川翡翠だよね。