朝、日記を書きながら、
今日が1日であることを思い出した。
慌てて家を飛び出し、浅草寺に向かった。
1日朝は掃除の日と決めている。
浅草の商店主の集まりで、浅草寺に奉公しようと始まった会だが、
こんなよい教育の場はないと思い、
ずっと我が子を連れて参加してきた。
子供が小さいうちは、上から下まで四人全員を連れて行った。
本堂で当番のお坊さんたちの声明を子守唄のように
聞いてこっくりこっくりしている子供たちに
失笑したものだった。
そんな読経の時間を正座して聞いているのだから
決して楽ではない時間と想うのだが…
どういうものか、月初めの早朝
「ナムナム行く?」
と、枕元でだめもとと囁いてみると、
普段なら寝起きの悪い連中が、
「行く…」
闇の淵から捻り出すように声を発する。
しかもどんどん自分から着替えてくれたものだ。
けれど保育園→小学校→中学校と成長するにつれ、
一人、また一人と脱落し、
不参加を表明するようになってきてしまった。
そして、ついに今日…
父親一人の掃除会だった。
ちょっと寂しいが…
まあ、心のどこかに何かしら
残っていてくれればと願うのみだ。