伝える。

お客様との会話。

ほおずき市ということで
昼間からお酒が入り、ほろ酔い気分でご来店される。

ぼくは、念珠の製作をしていたので、
手が離せなかった。
お客様の独り言が聞くともなしに耳に入る。

値付け前に仮置きしてある念珠を手に取りながら、
「これいいなあ。でも俺なんかダメなんだよなあ…」
「まだ早いんだろうなあ…」

何がだめだというんだろうか。
何が早いと言うのだろうか。

不思議に思い、製作を中断し、

「どうされました?」

と、たずねてみた。

前にこれはいいと思い、買おうとしたら、

「お客様には、早すぎますよ」と言われたのだという。

「早い!」(何が早いと言うのか…)

気を取り直して別のを手に取ったら、

「なんとか菩提樹っていうのだったけど…」
また、店の主人らしき人に、

「それはお寺様の使うものだ。在家は使わない」と断られたという。
どうでもよくなって、置いてその店を飛び出てしまったという。

「尊い人が使うもので、俺なんかが持てるものじゃない」

お寺用と在家用が歴然とあると刷り込まれた感じだ。

(あっちゃー。誰だよそんな事言ったのは)

念珠を持つのに、寺も在家もあるのかね。
逆に問いかけたくなった。

京都を旅したとき、記念に買おうと仏具店に入り
言われたのだと意気消沈気味に教えてくれた。
(うちじゃなくてよかった)

お客様には、仏教のプロもいれば、
馴染みのない方もいらっしゃる。

どう伝えるかは、プロとして、
心を砕いて伝える義務があるのだと思う。

人の振り見て・・・
だなあ。

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