60点

「いやだな」と思うと、
何故か「いやだな」に近づいてしまう。

良いほうに予測すればよいのだが、
だから極力、マイナス志向が頭をもたげてきたら
数秒で切り替えることにしている。

学生時代、弓道部に所属してさんざん弓を打ってきた。
いざ試合になると決まって前日に夢を見る。

矢を弦にかけ弓を打ち起し、的につける。
静寂な時間(会(かい)という)。

当て気を起こさず、
体は静止するが精神的に充実をみて、
気が充分に溜まりきった時点気が発すると同時に
矢も自然に発せられ(離れ)的に的中する。
と、なるのだ。

が、

ポロリ

矢が弦から外れて床に落ちる。
慌てて二矢目を弦にかけ同じ動作を繰返す。

ポロリ

何度やっても落とすのだ。

めちゃくちゃ慌てる。
「こんなことあろうはずはない。絶対無い!」

これは夢に違いないと強制的に目を覚ますのだ。

実際、試合中に弦から矢が外れたことなど一度もないのだ。
あろうはずがないことなのに、
夢では、あっちゃう。

完璧を望むから、余計なストレスを感じるのだろう。

心理学を専攻する諸氏には、格好の材料なのかもしれないが
本人は、割と深刻に受け止めている。

故に、あろうはずもないものを考え始めたら、
80点、いや60点でよい。
100点とろうなどおこがましいと思うようにした。

すると、おかしな気持ちは雲散霧消して
晴れ晴れと平常心で試合に望めた。

今まで、この60点思考がどれほど役に立ったろうか。

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