本麝香(じゃこう)を使用したお線香はなかなか見つからない。
よほど高価な香には若干含まれているようだけれど、
麝香と銘打つのは、なかなか今の時代、勇気がいるものだ。
入手困難なのだから仕方ないといえば仕方ないけれど、
ないとわかるとますます香りを聞きたくなるのも人情。
お客様の注文に応じ、
京都の香司から細いパイプで取り寄せて聞いてみた。
一箱は、お試し用にとっておくつもり。
ああ。なるほどね。
確かに麝香の甘さが他のベースの素材に引き出されている。
でも麝香が立ちすぎてもちょっときついかな。
僕には大観の伽羅と同時に焚いてみるのが、
よいように思った。