除籍謄本

手元に我が家の除籍謄本がある。
(お蔵入りした古い戸籍のこと)
神奈川縣多摩群鈴木町・・・

父の旧戸籍。

10年以上前に父の実家のある小平市役所に足を伸ばしとってきた。
明治3年に施行された戸籍法にそって作られたものだが、
80年を経過すると戸籍は廃棄処分されると知って(あまり知られていない)、
慌てて我が家の歴史を消してなるものかと役所に駆け込んで手元に残した。

100年を超えた一級資料である。

ときどき引っ張り出して眺めているが、
達筆な書込みを見ていると全く飽きがこない。
セーブしないと1~2時間眺めている。

僕の子供時代は、引越しの連続だった。
僕が生まれてから片手では収まらないくらい、
本牧を皮切りに横浜市内を放浪し、ついに今は浅草に落ち着いたわけだ。

除籍謄本を見ると、弘化4年からの歴史がぎっしり詰まっている。
面白いことに、百姓らしく、一度も引越しの跡はない。
自分とはえらい違いだ。

武蔵野の片田舎でのんびり暮らしていたのだろう。
父が大学に通うころですら「タヌキが先導した」
と言っていた話もまんざら眉唾でなく思えてくる。

けれど、江戸から明治、大正、昭和と時代は、土地の名称は激変した。

相模国から神奈川県縣北多摩郡鈴木新田、
東京府北多摩郡小平村、
東京都北多摩郡小平市花小金井とクルクルと猫の目のように変わる。
時代が急変していたであろうことは容易に想像できる。

家長制度の戸籍だけに、全てが記載されてもいる。
だれだれが何処に嫁に行ってどうなった、何処から来た、
だれだれが家督を継承した云々としっかり読み解ける。
歴史がしっかり詰まっているから身近なドキュメントであり興味深い。

いつか暇を見つけて、
家系図に起こしておこう。