年輪

お客様も20年お付き合いさせてもらうと
何を考えているか、話さずともわかる。

下手をすると肉親より長くお付き合いさせていただいている。
韓国俳優のヨン様がよく自分のファンをファミリーと口にするけれど
よくわかる。

僕にとっても、念珠堂に訪れてくれるゲストを
心の中ではいつもそう思うもの。
年上なら、お姉さんお兄さん、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん
年下なら、弟、妹・・・
接している自分の心持ちにその心に染まってさえいられれば、
いくらで売ろう儲かろうなどとは、決して思えない。

「どう良くしてあげれるだろう」
「どう喜んでもらえるだろう」
「どう解決してあげれるだろう」
そんな気持ちしか湧いてこない。

逆にそんな気持ちが湧いてこないときは、自分がいけない。
まったくやりきれなくなる。

仕切りなおさないと、店を開けていても意味がない。
怠惰な仕事として店に立ちたくない。
黙っていても過ぎ去る時間をむさぼるような生き方だけはしたくない。

いつもながら、そんな思いにさせられる。

そして時々年輪を刻んだねと驚きを隠さないで励ましあえる。
そんなお互い様を言い合いたい。

ごくあたりまえのことをごく当たり前に行なえる
そんな店でありたい。

店(ここ)をかわいがっていただいて
ファンになってくださった全てのお客様に
ファミリーでありたいな。

と、つくづく思う。

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