歴史

なんの写真か一目でわかる人がいたら、同業者かよほど毎日仏壇に向かってお勤めをして、古くなったからそろそろ買い替えないといけないかしら・・・と日々考えている方だろうと思う。

仏壇の中扉の障子部分の写真なのである。
クリーニングやお洗濯(仏壇をきれいにすること)を依頼された。
登山で例えれば1合目(にも満たないかな)は中子の修理。
なんたって昭和12年の仏壇だからと高をくくるが、
70年を越えてなお使用に充分耐えられる。

昭和12年と言えば北京郊外の盧溝橋で中国側からの一発の銃弾で、日中戦争に突入していった年。
仏壇は戦争で亡くなった息子のためにせめてもと父親が新調した。

よほど大事に使われていたことは、紗の張替えをしたときに実感した。
70年経つのに、破れの一箇所も見られない。
洗えばまた使えそうな紗。剥がしてみると70年の汚れとは思えないほどきれいな状態に驚く。

よほどよいお線香を使ってきたのだろう。
簡単に汚れは落ちる。
高級なお線香は、煙は出すが汚れは簡単に落ちる。
クリーニングをしてみれば、手に取るようにわかるのだ。

息子を思って仏壇を新調した親の心。その遺志を受け継いだ家族の心。
そんな思いが、ぐっと胸に押し寄せる。

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