朝湯
暮れからこのかた、早朝は「しばれる」と言う言葉がちょうど似合って寒さが痛い。
朝は相変わらず同じコースを飽きもせず走り回っている。
要するに駒形橋から上流に向かい、白髭橋か、その上の水神端をぐるっと隅田川を挟んで一周してくる。それこそ花見の季節は、ほろ酔い加減の皆様と交差しながらのコースなのだ。
春夏は、川面をすべる風は実に実に気持ちが良く、やはり川沿いの良さはこの天然クーラー環境に尽きると思う。
けれど、冬は全く異なってくる。
特に今年のように寒波が理不尽にも猛威を奮う年は口が開けられないほど寒い。
特に走り出しの一キロくらいが寒くて仕方がない。
どうせあとで汗をかくのだからと、チョッキ型のウインドブレーカーだけのせいもあるけれど、とにかく痛寒い。
桜橋を過ぎる頃は半袖になって走っている。
周回して駒形堂で馬頭観音に挨拶し終わると、汗が即、冷却装置になるから油断すると心底冷えてくる。
だから・・・
出かける前に風呂に火を入れてくるのだ。
家に帰るとちょうどよい温度に湧いている。
これがいい。
昨晩の残り湯だけどまったりしてお湯に棘がない。
もう・・・最高に至福のときを過す。
温泉めぐりランなんてのも良さそうだな。などとできそうにもない夢を描きながら、朝酒朝寝のできない僕に残る朝湯に対して希望をかけている今日この頃なのだ。
このぐらいでは身上をつぶすまではいかないだろう・・・?
浅草のそら。