昔お世話になった方の奥様が寝たきりになっていたことをひょんなっことから知ることとなった。
事故(交通事故だろうか)で7年間寝たきりで下のお世話もご主人が続けているという。
やり手のご主人は家に戻る時間さえ惜しんで飛び回っていた。
それに輪をかけた活動的な奥さんは、全国を飛び回っていた。
我が家は夫婦ともども世話になった。
まったく性格の違う二人にかわいい女の子が生まれた。仕事の重要さをわきまえながらも、わが子の世話をご主人がかって出ていたのが傍目からも感心させられていた。
そういえば彼の言葉に感心したことがあった。
物を大事にすることを旨にしていた彼だった。
人は彼をケチとも節約家とも読んでいたが、いつだったか何故ケチなのかを聞いたことがあった。
一面的にはもちろん金銭的な理由。
必要以上の消費は神様への冒涜であるという。
さらに私の無駄は地球的規模でとらえなきゃいけないという。
水を節水する。エネルギーの無駄使い。地球的規模で考えなさいと。
必要以上の飲食、地球的規模で考えなさいと。
地球的損失でしょ。というのだ。
これには参った。一本とられた。
日本がバブルに沸いていた、消費が美徳の時代の話である。
あ。この人は尊敬に値する人だなと直感したのだった。
あれから20年以上か・・・
そんなことを思い出しながら彼の今を考えていた。
倒れた当初は途方にくれたという。
しかし今は、奥さんの下の世話をしながらも、
生きていてくれるだけでありがたいという。
ビックベービーになっても、生きていてくれることが自分の励みになるという。
そんな感想をもらしていたという。
思い出しながら、
そばにいた上さんの顔をちらっと伺った。