チンチン電車の車内を描いて、マナーの問題を取り上げている
公共広告機構のポスターをご存知だろうか。
今のマナーの悪さを是正するため、
新たに考えられた、啓蒙活動と僕は思っていた。
年毎にポスターもシリーズ化され増えてきた。
けれどこれが、江戸時代から商家に伝わってきた
処世術とは知るよしもなかった。
先日NHKを見ていると、たまたま「江戸しぐさ」を啓蒙している
伝承者の団体があることを知った。
越川禮子氏が主催する語り部集団の言を借りると
「江戸しぐさから見た江戸っ子の条件」が4つあるのだそうだ。
1.目の前の人を仏の化身と思える(相手をかけがえの無いものとしてつきあえる)
2.時泥棒をしない(断りなく相手の時間を奪うのは、弁済不能の十両の重罪)
3.肩書きを気にしない(三脱の教え)
4.遊び心をもっている(知恵比べ、腕比べを好む)
目の前の人を仏の化身と思うということには驚いた。
その前提があるからこそ「三脱の教え」となるのだ。
単に宵越しの銭はもたねえ、火事と喧嘩は江戸の華
が江戸文化なのではないこと
見方に変化が生じてきた。
江戸時代は、自分が考えていたより
はるかに文化水準の高い都市だったことを
若干なりとも感じさせられた。