春のお彼岸と違い、
秋の彼岸は、いつも閑古鳥がというほどでもないけれど
ぺんぎん程度が、歩き回っている。
それほど、例年だと暇だよ。
と言いたいのだけれど、
今年はどうしたことか、天変地異か
忙しい。
ふらふらと、写真を撮る時間ももらえない。
外人客も目だって多いから、
やっぱり浅草観光のお客様が多いということなんだろう。
以前とは、明らかに国別の比重がアジアに偏重してきたのがわかる。
それだけ所得が増えたことなのだから、喜ぶべきことなんだろう。
なにやら、店の中央が騒がしい。
「oh-ペラペラペラ」
「aha-ペラペラペラ」
(なんじゃい騒がしいのう)
目は大きくパッチリと、皮膚は浅黒く、背は高く…
カレーの宣伝の容姿のお客様が数人。
(お釈迦様の生まれたお国のお方かい)
そう天竺からのお客さま。
当店の施本を手にとって
あーだこーだと言ってワイワイ盛り上がっている。
何ですかと純日本語でお聞きすると
「これはなんだ」と問いかけられる。
「ムディター」と応えると握手を求められる。
「あ!ムディターね」
先の施本の表題はサンスクリット語で「ムディター」
と書いてあったのだった。
インドの方には、お国の言葉なんだ。
「人の幸せを喜ぶ」の意だったことを思い出した。
何万キロ離れたこの日本に来て
「ムディター」にあえるとは、
夢にだに想像しなかっただろう。
僕とて同じこと。
またきてくださいね。