無事、お仏壇の納品完了。
数日前の嵐がうそのよう。
晴れ渡り気持ちのよい納品日だった。
自慢じゃないのだが、
仏壇の納品時に雨に降られた経験は、一度たりともない。
仕事をはじめて四半世紀たつが、一度もである。
最近は、少なくなったけれど、
お仏壇を家に迎い入れる日には、
施主さんは、
山海の珍味を用意し、
赤飯を炊いて待ってくれたものだ。
我が家に仏様(本尊という意味での仏様)を迎い入れれた日。
という意味と、
今の自分を生み育んでくれた、
そして、護ってくれているご先祖様のお家が新築された。
という意味で、本当にめでたい日なのだ。
今を生きる自分たちの家を新築するときですら、
酒宴をもうけて祝うほど、めでたいのであるから、
ご先祖の家が新築されて、祝わない法はないだろう。
そんな大切な日が、お仏壇の納品という記念日なのである。
めでたい行事なのだから、雨もそのときは少し遠慮して、
お日様をにっこり出してくれるようにさえ思えてならないのである。
長雨の時期でも、台風の最中でも、幾度納品したかわからないが
ただの一度も雨具を用意したことはない。
台風の最中納めさせてもらったときは、家に着いたとたん日が差した。
風も止んでしまった。
そして、家にお仏壇を納めたとたん、
思い出したように雨はドッと振り出した。
台風の目に入ったんだと思えばそうなのであろう
が、それは結果論である。
それを計算し、目論んで出かけたわけではない。
単純に、ご先祖様が喜んでいるのさ。
と思うほうが、至極わかりやすいではないか。
できるだけ、ジンクスは切れないことを願っている。