二人で174歳。
二人組みで久しぶりに来店された。
本当はもうお一方若手がいる。
それでも確か82歳だったと思うから、
あわせて256歳。
お茶飲み話でしばらく思い出話をしていかれた。
「息子が1000万の不渡りくらってさあ」
「だめよぉ。もらうなら手形半分小切手半分にしなきゃあ」
「だって言うこと聞かないもん」
経営者の大妻たちは、たわいもないことのように大変なお話しをしている。
もう30年近くのお付き合い。
どんどん小さくなってこられたなあ。
玄関で後姿をお見送りしながら、ふと思った。
丸くなった背。
かくしゃくとしていた足もついに萎えてきて躓きかねない。
補うように杖に頼る。
杖を突く音が人ごみの中にそこだけ響いていた。
三人で300歳。元気に超えてくださいね。