値上げの反骨

ことさら謳ってきてはいなかったので、
知る人は知る程度。

実は、わが店は、香や線香仏具の値上げをしていない。

早いメーカーは去年の3月から、値上げし始め
同じく去年の6月、12月とじわじわ値上げに追い込まれた。

原因は、沈香や白檀の天然資源原価の高騰。

そしてごたぶんにもれず、
輸入材料に頼る製品だけに流通コストのアップ。
というダブルパンチで矢つぎばやで値上げ攻勢が昨年から続いている。

値上げのお触れがまわってきても
うちは足並みをそろえなかった。
適正利潤、適正価格は商売の基本と思っています。
値上げは申し訳ないと思いながらもお願いする場合もあります。

が、去年の段階ではどうしても納得できなかった。
市場に天然材料が貴重なものだということ、
そして枯渇の恐れがあるということ、
ワシントン条約にかけてまで原産国の政府が保護に働いていること
などなど現実は予断を許さない状態なのに風評は成熟されていない、

伝える所が伝えていないことに不満を感じたのだ。
小さな店が何を言ってるかなくらいに取られたかもしれないけれど
メーカーが来るたびに、伝えた。

マイソール産の白檀の素材は2~3倍に高騰し、仏像を彫れるほどの材は手に入らない。
沈香は輪をかけてひどい状態ということもお客様から聞かされることが多くなった。
天延材料が危機的状況と一般認識化してきたみたい・・・に感じる。

だから、価格の据え置きを販売促進の材料にはしなかった。
実店舗にも、web店にもどこにも表示はしなかった。
でも、そろそろ難しくなってきつつある。

実はまた、素材が値上げされそうなのである。
ついに販売価格が原価を下回る恐れが出てしまった。

さあどうしよう。
いよいよお尻に火がつき始めちゃった・・・

申し訳ない思いがまだ残るし・・・、
そろそろ価格の見直しの検討をしないといけないかなあ。

もうちょっとは頑張れそう・・・

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