懸案になっていた、製作ものをやっと、こさえることができた。
販売の現場をこなしながらなので、
俄然、遅々としていつも進まないのだが、
今日は、どういうわけか
良い意味で…
良いも悪いもない。つまりご来店が少なかったのだ。
スムーズに作業が終了できた。
近頃は、彫り物が多くなったので、一から十まで、
自分だけで完結できない仕事が多くなってきた。
だから、
他の職人に渡して、一次加工を終えるのを待つのだが、
これが、
いつも待ち遠しい。
実際は、不本意なのだ。
直接仕立てる楽しさは、何とも言えず心地よい。
が、しかし、企画立案までしか出来ない。
あとは職人まかせという仕事の場合、
最後まで気が抜けないし、はらはらのし通しなのである。
人の手を借りて念珠なり、仏像なり、製品として完成させるのは、
大掛かりにもなるし、まあそれなりに、達成感はあるけれど、
精神衛生上、たいへんよくない。
大きい仕事をこなそうとするなら、なおさらのこと、
慣れていかないといけないのだろう。
と思う。
が、手の届く、
気の回る範疇の仕事で充分と思うようになった。
最近、そんな思いがいつも、もたげてしまう。
むしろ、玉造りからぜーんぶ自分でやって、仕立てて
という思いが強くなっている。
彫刻刀を持って、木に向かうのも
遠い将来ではないような気もする。