オーダーの錫杖が中仕上がりされて今日手元に届いた。
欅(けやき)の丸太から切り出し、
テーパーをつけ錫杖本体をつけやすいように河口する。
石突用の段差加工をし、
摺漆(すりうるし)をかけた。
摺り漆は専門の塗師(ぬし)しかできないのでしかたないとしても
欅の丸棒を切り出すのは何とか価格を抑えて作ることができた。
完成するまで冷や冷やしながら待ったが
ドキドキしただけの甲斐はあった。
自分でも欲しくなる仕上がりであった。
あとは書き入れる文字の確認をしようと
施主のMさんに電話をしないと・・・
と思っていたら、
本当に突然ご本人が顕れた!ではないか!!
しかも文字見本をお持ちになって。
「縁」を絵に描いたような出来事。
でもね、なんとなくそんな気もした。
こういうことは、僕の身の回りでは日常茶飯事の出来事なのだ。
だからいやでも「思い」は軽々しく扱えない。
思うことは実体のないことではないのだ。
すでに実体が伴うことなのだ。
だから、「思うこと」は、丁寧に扱わねばと思う。