シンプルなものほど難しい。
その典型的な例が国宝第一号の広隆寺弥勒菩薩だと思う。
そう簡単に線が出ない。出せない。
表情になると輪をかけて難しい。
若いとき、京都をブラブラしていたとき
半日以上ポカーンと魅入っていたことがあった。
なんてきれいな線を描いているんだろう・・・
なんの虚飾もない・・・
ひとつ間違えれば、この表情は全く異なったものになってしまう。
極限まで省かれたライン。
生き方においても、シンプルほど難しいものはない。
けれど、シンプルほど簡単なこともない。
けれどシンプルほど怖いもの知らずもない。
要は、「捨てられますか」と言うことなのだと思う。